書籍『OpenFlow ネットワーク入門』は、Trema の解説書だった
『OpenFlow実践入門』を見ながら OpenFlow コントローラのフレームワークである Trema で動くコードを書き始めたみた。が、どうにも理解が進まなくて困ってしまった。
この本はサンプルコードを解説する形で説明していて、それはそれで面白いけど、Trema 自体の体系的な説明がされていない。また、説明されている機能はごく一部でしかない。
足りないところは、Trema API (http://rubydoc.info/github/trema/trema/master/frames/index) のページで補おうとしてみたけど、このページは Trema のクラスやメソッドのリファレンスでしかないのでやっぱり全体像が見えてこない。(さらにやっかいなことに、この API のページは英語で書いてある)
ネットで検索しても断片的な解説しか見つからない。
...困ってしまった。
と、そんな時、状況を一変させてくれる本に出会った。『OpenFlowネットワーク入門』(コロナ社)だ。
この本、第5章以降はすべて Trema の解説となっていて Trema API の形で OpenFlow 1.0 の解説をしてくれています。要は、OpenFlow 1.0 の規格を Trema とともに勉強できる。
OpenFlow 1.0 の勉強と Trema の勉強が両方できて一粒で二度おいしい。
この本のおかげで、困った状況が解消されてかなり理解が進みました。
OpenFlow 1.0 の完全解説書ではないので説明が足りないところはあるが、 OpenFlow 1.0 の規格書を直接に参照して補えば良い(http://www.openflow.org/documents/openflow-spec-v1.0.0.pdf)。
■書籍『OpenFlowネットワーク入門』の残念な点
(1) 「第2章 OpenFlow ネットワークの構造と動作」の解説が OpenFlow 1.0 より後のバージョンの OpenFlow を扱っている点(たぶん、OpenFlow 1.1 か 1.2 あたり)。 一方、Trema は OpenFlow 1.0 にしか対応していない(現時点では)。 OpenFlow 1.0 とは異なる動作を説明してしまっていて、読者を混乱させてしまう。
(2) 扱っているTrema のバージョンが少し古い。「5.1 Trema」(P.85) にて「本書では trema のバージョン 0.2.5 を用いたコントローラの開発について述べる」と書いてあり、現時点の 0.3.3 より古い。説明されていない Trema の新機能があるかもしれない。
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